FORT WAYNE
FEATURE 003

どこまでも透明で、どこまでも美しく、どこまでも繊細でありながらも真っ直ぐに力強く…。スロウ・コア、サッド・コア、音響、アンビエントなどのキーワードが頭を過ぎるもどれともまた違った特有の空気感と、まるで聴く者の心を浄化するような作用をも持つフォート・ウェイン。Mono主宰のレーベルHuman Highwayから1stアルバム『Resignation』のリリースや、Shipping NewsやBelliniなどの海外勢とも共演を果たし、そのひたすら幽玄的で美しい音楽に心打たれたリスナーも多いはず。しかしその後レーベルから離れ、今後の動向が気になっていたファンもきっと少なくないはず。そんな中、フリー・コンピレーションCD『CLOSER Vol.1』への参加、4月29日のイベント"CLOSER Vol.1"への出演決定と喜んだファンも多かろう。そんなあなたのために、またはこれから知るあなたのために「今」の彼女の声をお届けしよう。





HOMETOWN
Aomori, JP

MEMBER
Hiroko Kodaira

LABEL
HUMAN HIGHWAY (JP)

WEB
FORT WAYNE
FORT WAYNE myspace

まず自己紹介からお願いします。

FORT WAYNE(フォート・ウェイン)です。青森県八戸市在住、宅録女性ソロ・ユニットです。

どのようにして音楽活動をスタートさせたのでしょうか?

きっかけは、、4年ほど前に、失恋して号泣しながらトム・ウェイツを聴いて、こんな曲が書けたら良いなぁと思って始めた、または、モグワイを聴いて、フライングVで殴られたような衝撃を受け、自分も曲を書きたいなと思って始めた、と言うことにしています。本当のところは良く覚えていません。。気付いたら始めてました。良いきっかけ募集中です。

最初からバンドなどのグループではなくソロでの活動だったのですか?

昔、友達3人とバンドをやろうと試みたことはあります。でも一度もスタジオに入ることなく、敢え無く解散しました。。それ以来、1人で活動しています。

音楽を作る上でインスパイアされたアーティストはいましたか?

沢山いますが、特に影響を受けたのは、ポーティスヘッドとロウです。ポーティスヘッドはいつ聴いても新鮮です。ロウはいつ聴いても泣きます。

2005年にMono主宰レーベルHuman Highwayからリリースされた1stアルバム『Resignation』は個人的にも大好きなアルバムのひとつです。もともと自主で制作した音源を元に制作されたとのことですが、どのようにして完成したのか教えてください。

有難うございます。宅録で書きためた曲をジョン・ゴールデンというエンジニアの方にお願いしてマスタリングして頂きました。彼のマスタリングによって、以前の雰囲気を損なわず、さらに温かみと深みが加わり、自分の想像以上の良い音が出来たと思います。その後、どの曲を入れるか、また、曲順を吟味して『Resignation』が出来ました。

曲はどのようにして制作されたのですか?

曲は、いつも、ギターかピアノで好きなフレーズを作って、それにいろいろ重ねていく方法で作っています。それは曲を書き始めてからずっと変わっていません。

歌詞はどのようなものにインスパイアされて書かれたのですか?

歌詞は、特にインスパイアされたものはありません。ただ気をつけていることは、大げさにならないことと、暗くなりすぎないことです。何にもしてないのに、世界平和や環境問題を歌うのも、全く信憑性が無いし、また、ただただ暗い歌詞を歌うのも聴くのも、精神に良くないからです。

この作品の様々な魅力のひとつに「歌声」を挙げる事ができると思います。透き通るような澄んだ声、優しい子守唄のような声、真っ直ぐに力強い声と様々な声色を曲ごとに聴くことができると思います。これについてはいかがですか?

声は曲ごとに自然と変わっていると思います。声も音のひとつのパートだと思っているので、自分の中でその曲に合った声を自然と使い分けていると思います。

このアルバムは邦楽でも洋楽でもない、独特な空気感を持った作品だなと感じました。普段はどのような音楽を聴いていますか?

普段は、、ハウス以外なら何でも聴きます。昔は典型的な邦楽嫌いでしたが、ここ2、3年くらいは邦楽も聴くようになりました。

最近のお気に入りCD、レコードがあれば教えてください。

The Radio Dept.の『Pet Grief』です。去年リリースされたアルバムですが、ずっと聴いてます。特に「Tell」という曲が好きです。激リピートです。

青森出身ということですが、青森の音楽シーンはどのような感じですか?

出不精なので実は良く知りません。。でも素敵なバンドさんたちがいっぱいいるそうです。来月(5月12日)に初めて青森でライブをやります。青森市のサブライムで行われる『トロイ6』というイベントに出演します。その時地元のバンドさんたちと共演するので、今から凄く楽しみです。東京からCryvも来ます!

こちらは新潟なのですが、新潟と言えば何を思い付きますか?やはり米や酒でしょうか(笑)?

新潟と言えば、、そうですねぇ、、コシヒカリ、八海山、雪、中越地震、洪水、などが思い浮かびます。後は、おしゃれな人が多いイメージがあります。

Fort Wayneをはじめ、Cryv、Yucca、Ovum、Oaqkと素晴らしい日本のアーティストが結集したコンピレーションCD『CLOSER Vol.1』が、配布されていますね。どのようにして今回のこのコンピレーションCDは生まれたのでしょうか?

世界でも刺激的と言われている日本のインディーズシーンですが、魅力的なアーティストが沢山いるにもかかわらず、その存在があまり知られていません。そこで、音源を無料で配布することで、1人でも多くの人が興味を持って、ライブに足をはこんでもらえれば良いなと思い、作りました。

その企画イベントとして4月29日に、新宿Marzと新宿Motionでの2会場同時開催イベント"CLOSER Vol.1"が開催されますね。今の心境はいかがですか?

1年ぶりのライブになるので、とても緊張しています。でも凄く楽しみです。友達やファンの方や他のバンドさんたちに会えるのも凄く楽しみです。

今後の活動を教えてください。

今年はライブと新曲作りに精を出したいと思っています。後は、、他のアーティストの方とコラボレーションするかも・・?、です。

それでは最後に何か一言メッセージをお願いします!

去年レーベルを離れてから、沢山の応援のメッセージを頂き、本当に励みになりました。今年からFORT WAYNEは元気いっぱい活動します! 今後とも応援宜しくお願い致します。



INTERVIEW in April 2007
TEXT by Masato Hoshino