KAZUYA MATSUMOTO
FEATURE 050

先日の「mergrim x kazuya matsumoto」名義での新潟ライヴで、凄まじいドラム裁きで観衆を歓喜させた松本一哉氏。ドラマーとして他にFilFlaやyuanyuanなどで活躍する傍ら、十日町・まつだいの山ノ家で「松本一哉 + 齋藤功」名義として演奏して魅せたように、打楽器/非楽器の様々なオブジェクトを駆使して唯一無二の音世界を構築してしまうもう一つの側面も併せ持っています。音の鳴るモノを叩いたり擦ったり回したり撫でたり…と、様々な視点と感覚によって音本来の本質的な響きの美しさを私たちに届けてくれます。最近では一楽誉志幸と町田良夫とのトリオ、U(うつわ)としての活動をはじめ、ジャンルの垣根を越えた様々なアーティストとの盛んなコラボレーション、そして瀬戸内国際芸術祭2013関連のプロジェクト「観音寺ミュージック・アワード」では一般公募でグランプリ受賞と、常に動向の気になる彼にインタビューさせて頂きました!




HOMETOWN
Tokyo, JP

MEMBER
Kazuya Matsumoto (FILFLA, MERGRIM, YUANYUAN)

WEB
KAZUYA MATSUMOTO
KAZUYA MATSUMOTO soundcloud

VIDEO

めざめ


U(うつわ)


mergrim x kazuya matsumoto




experimental room #15

2014 05 25 SUNDAY

Solero

Open 18:00 / Start 18:30

Adv 2500JPY / Door 3000JPY / From Out Of Niigata 2000JPY / Under18 FREE!

live:
KYOKA
MERGRIM x KAZUYA MATSUMOTO
34423
PAL

dj:
JACOB

more info: experimental rooms
先日のmergrim x kazuya matsumotoによる新潟ライヴ、非常にヤッバかったです!人力 ドラムマシーンの如く目では追い切れない程の非常に細かなフレーズから緩急に満ちた情 感あるドラミングまで、とても豊かな演奏で終始ニヤニヤせずにはいられないくらい最高 でした!今回のmergrimとのライヴはご自身はいかがでしたか?

お褒めのお言葉ありがとうこざいます!!!今回の新潟でのライヴは、見てる人達が楽し そうに踊ってくれたり、笑顔だったり、歓声いただけたりしてとても楽しかったです。僕 自身スロースターターなのですが、mergrimのmacを停止させるというトラブルを引き起こ してしまい、そこからテンションが上がって良い感じに演奏出来ました。失敗した時の方 がテンション上がるんですよね(笑)。

新潟での演奏はこれで3回目かと思いますが、改めて新潟についてはいかですか?

3回ともライヴハウスなどの音を鳴らす為に作られた環境での演奏ではなかったのですが、 僕はそういう場所ではない所で、マイクを通さないとか、自然な響きを伝える演奏の方が 得意なんです。なので、新潟での演奏は僕にとってはホームでした。もっと色んな所でも やってみたいですね。それと、新潟の人たちは音楽を聴く姿勢が他県の人と比べると、シ ャイだけど熱い。そんな印象です。ノリの良い演奏の時はおおいに踊り、繊細な残響や間 を使った演奏の時はジー…っと耳をすませて食い入るように聴いている。当たり前と言え ば当たり前なのですが、意外と土地によっては踊りもしないし、聴いてないですよーみた いな雰囲気を出す土地もあったりするんです。個人的に新潟の人のそういう姿勢や態度が 大好きです。

松本さんは今回のmergrimの他に、松本さんの新潟初ライヴともなったFilFla、ポスト ・クラシカル・ユニットのyuanyuanなど様々なバンドやユニットでドラムを叩かれていま すが、こうしたドラマーとしての活動についてはいかがですか?

僕が関わる殆どのアーティストさんがそうなのですが、ドラムの基礎的な事がよくわから ないって方が殆どなんです。好きな音楽のリズムや音で打ち込む事は出来るけど、それが 一般的に正しいのかどうかわからないという意味てす。そして、他の楽器と違って自分で 音を鳴らすのは難しいというのも大きいですね。なので、僕はドラマーというパートを作 曲者や共に演奏をする人の意思や目的を理解し、汲み取り、より良いリズムや音をデザイ ンしていくモノだと思ってるんです。…と、なんか小難しい事言いましたが、僕にとって ドラムを通した活動というのは人と繋がるという意味を持ってます。色んな場で、色んな 人と演奏して、皆で楽しむ為のツール。そんな感じです。

松本さんは今回のようなドラムでの演奏の他に、様々な打楽器/非楽器を用いたソロで の演奏も行っていますね。2013年3月に十日町まつだいにある山ノ家で見た松本一哉 + 齋 藤功 打楽器duoでは、普段気が付けない音自体の様々な鳴り方や音そのものの本質的な美 しさを感じせるものがあり、息を呑む瞬間がいくつもありました。ソロの方ではどのよう な事をコンセプトに置いて演奏されているのでしょうか?

ドラムとは真逆で、聴く相手の気持ちや、人との繋がりを極力意識しないようにやるよう に心掛けてます。流行歌や分かり易く整理された音楽とは違って聴き方は千差万別ですし 、僕がどうしようが、どこにピントを合わせるかは聴く人次第ですから。聞こえは悪いで すし、誤解を生むかもしれませんが、完全に自分自身の音楽表現の追求の為にやってます ね。色んなしがらみから解放されたい。 無心になりたい。音だけになりたい。人の事を意 識しないで演奏したい。などなど。禅問答みたいに思う時もあります(笑)。

瀬戸内国際芸術祭2013に関連したプロジェクト「観音寺ミュージック・アワード」の一 般公募にて、見事グランプリを受賞されましたね!改めておめでとうございます。香川県 観音寺市をテーマに作曲することがお題としてあったようですが、どのようにして楽曲は 制作されたのでしょうか?

参考文献の中に「岩で出来た島」「精霊たちが住まう島」「伊吹島は元々、息吹島だった 」という一文があったんです。ソレを見て音の形がイメージ出来たので、後は瀬戸内国際 芸術祭に行った際にフィールド録音した素材に合わせて演奏しました。長い年月をかけて 精霊たちの息吹きが島を作っているっていうイメージです。

"ibukijima"


普段目にしない楽器や様々なオブジェクトを演奏に取り入れられており、非常に興味深 く拝見しているのですが、今着目している「楽器」や「モノ」がありましたら教えて下さ い。

楽器を自分で作る事に興味があります。ゼロから自分の理想の音を作ってみたいなぁと思 ってます。後は、音を鳴らすモノではなく、楽器を置く布だったり、切り株だったり、そ ういう装飾に凝ってみたいなぁと思ってます。いつかカッコ良い絨毯とか欲しいですねぇ 。

最近のお気に入りのアーティストや作品などがありましたら教えて下さい。

Kyokaさんの『IS』です。今、世界で1番好きです。あとTYCHOのAmetsubリミックスがお気 に入りです。

ご自身のソロや様々なバンド、ユニットでの演奏など今後も目が離せないところですが 、今後の予定がありましたら教えて下さい。

ソロに重点を置いていこうと思ってて、その為の準備中です(と言って早いもので6年くら い経ちますが…)。最近HPを更新するのが面倒臭くてやってないですが、HPやTwitterとか Facebookで告知してるので、気が向いた時にでも良かったらチェックしてみてください。

それでは最後に新潟のファンに一言お願いします!

新潟の人も土地も食べ物も大好きです。東北でもない、北陸でもない、という孤高の文化 も大好きです。勝手にシンパシーを感じてます。そんな大好きな新潟に、今後も何かしら の形で演奏しに来たいと思ってます。大好きな人たちに会えるのを楽しみにしてます!関 われる日が待ち遠しいです!!新潟LOVEです!!!…すみません、想いを一言では表せま せんでしたm(__)m



INTERVIEW in June 2014
TEXT by Masato Hoshino