MIKKYOZ
FEATURE 062

ソロとしての電子音楽の創作やDJとしてもred race riot!の一員として活動する山倉淳氏によるleと、写真家/映像作家として活動する遠藤龍によるユニット、Mikkyoz(ミッキョウズ)。2009年より二人で創作活動を開始し、砂丘館での作品展示やライヴ・パフォーマンスを行っている彼ら。遠藤氏による新潟のアナザーサイドな風景を独自の視点で写真/映像というフレームで切り取り、その移りゆく風景をまるで具音化したかのように山倉氏によるドローニッシュでアンビエント・ノイズな電子音響が渦巻く。彼らの作品やライヴは非常に体感的なもので、毎回の発表が見逃せないものになっています。3月28日の砂丘館でのパフォーマンスもとても楽しみでならないところです。




HOMETOWN
Niigata, JP

MEMBER
Jun Yamakura (LE, RED RACE RIOT!)
Ryu Endo

WEB
MIKKYOZ

VIDEO

MKZ006


MKZ005.5


MKZ004 Echizenhama





experimental room #18

2015 03 28 SATURDAY

砂丘館

Open 16:30 / Start 17:00

Adv 3000JPY / Door 3500JPY / From Out Of Niigata 2500JPY / Under18 FREE!

live:
SONTAG SHOGUN
HAKOBUNE
MIKKYOZ
+ VERY SPECIAL GUEST!!!

dj:
JACOB


more info: experimental rooms
まず初めに自己紹介をお願いします。

遠藤:leと遠藤龍の2人組です。音響・映像(動画・静止画)を用いた創作活動をしています。

Mikkyozとしての活動はいつ、どのようにしてスタートさせたのでしょうか?

遠藤:2009年に処女作『mkz001 fluid』を制作しました。09年以前から2人で何かしようといった話はあがっていたのですが、結果的に音響・映像作品としてまとまったといった感じです。

様々な情景が切り取られたほぼモノクロームな映像とそれを具音化させたかのような電子音響はとても圧倒されるものがあります。一体どのようにして作品は制作されているのでしょうか?コンセプトやエピソード等ももしありましたら教えて下さい。

遠藤:「見るということ、聞くということ」を「時間・記憶」といった普段から接しているものを通して再考しています。 制作方法については、「進める」ではなく「過ぎていく」と言ったほうがいいかもしれません。具体的な対象があり、そこに向かって進めていくというよりは、完成形を見据えずに緩やかに過ぎていきます。始まりも終わりもありません。作品が残されていくだけです。

le:音に関してですが、それ自体に物語性は持たせず、映像の中の空気感を音響へ変換させています。人を通した変換(楽器の演奏)では主観が入ってしまい、そこには映像の意図せぬストーリーが生まれてしまう恐れがある為、音響への変換にはパソコンを用います。また、目視ではなく機械による変換では、空間を構造的に捉えた解析を行う事が出来る為、隠された階層が露わになる事があります。私の役割はそういった隠された階層を見つける事、その為の方法を考え作る事となります。ただし、これが全ての制作過程という訳ではなく、大まかに作品が出来上がった段階で、作品としての精度を上げる為の音響デザインや色付も行っております。

作品を制作するにあたり、普段どのようなものにインスパイアされていると思いますか?

遠藤:目の前の内と外とその間。

le:ふとした事。ふとした時にみえたもの、感じたもの。

お二人のユニット名をWMikkyozWと名付けた理由を教えて下さい。

le:かっこ良いと思うものをヒップホップの手法を用い複数形にしてみました。「ミッキョウズ」と読みます。かっこ良いかそうでないか、それだけの基準という我々のスタンスを表したものです。

3月28日にライヴ出演される会場の砂丘館では定期的に作品の展示をされていますね。直近では作品展示「MIKKYOZ008」が先日終了したばかりですが、振り返ってみて今回はいかがでしたか?

遠藤:「蔵」という特殊な空間で展示することは難しい面があります。あらかじめ空間自体に固定された「時間・記憶」があるため、Mikkyozの作品とは一見相性がいいのかもしれませんが、蔵固有のものに引っ張られる可能性があります。展示空間との共存は念頭に置きますが、展示空間に回収されないものを提示する必要があります。今回の展示がどうだったのかを言葉にするのは、振り返られる時間が来るまで待つことにします。

le:砂丘館はマリポリのポタラ宮と「丘の上」という点が合致します。ポタラ宮からは儀礼音楽の響きとともに祈りが丘下の市街地へ浸透していきます。私にとって砂丘館で音を出す事というのは、このイメージと重なる部分が大きく、遠藤の作る砂丘館での展示映像は新潟市内である事が多い為、映像を解析され露呈された階層が音へ変換され市街地へ響いていく、露呈された階層というのはその場の念の様なものが含まれますから、それが音へ変換され市街地へ戻っていくという、そういったループ(ポタラ宮で言えば人々の願いへ捧げる祈り)を垣間見れる作品だったと感じております。

砂丘館でのライヴ・パフォーマンスもとても楽しみでならないところなのですが、今回はどのようなものになりそうですか?

遠藤:和室でのパフォーマンスは初めてなのでどのようなものになるのか僕にもまだ分かりませんが、新作をお見せできると思います。

le:打ち込み要素を増やしてみようと思います。

最近のお気に入りの作品やアーティスト等がありましたら教えて下さい。

遠藤:町口覚(アートディレクター/パブリッシャー)が手掛けた書籍などは目を引くものが多いです。

le:PaperVehicle / TheUnmakingOfNumbers

今後のMikkyozとして、またそれぞれ個々としての活動予定がありましたら教えて下さい。

遠藤:作品は不定期に出来上がっているので次作についてのご案内はできないのですが、MikkyozのHP等で過去作をいくつかアップしていますので、ご覧頂けますと幸いです。

それでは最後にこれを読んでいる皆さんに一言お願いします!

遠藤:展示とライヴは全く異なるものですので、展示は見たけどライヴは未見という方がいらっしゃればぜひご覧頂きたいと思います。

le:チベットに行った事はありません。



INTERVIEW in February 2015
TEXT by Masato Hoshino