I WONDER WHEN IT WILL END.
FEATURE 064

新潟を拠点にこれまでソロ・ユニットとしてそれぞれの活動を重ねてきたpalとTaichi Nagamatsuのふたりによる2014年結成の電子音響ユニット、I wonder when it will end.(アイ・ワンダー・ホエン・イット・ウィル・エンド)。略称はiwwiwe。緩やかで薄暗いアンビエント・ドローンのカーテンを身にまとい、自在に姿かたちを変形していきながら、容赦なく叩き打たれる歪んだ強靭なリズムとともに創出していくインダストリアル・ダブとも形容できる彼らのサウンドは、立体的でエクスペリメンタルな構造美を脳裏に浮かばせるかのようです。そんなユニットの結成から名前の由来、そして彼らが運営しているプロジェクト、monotop-architektのことまでお話を聞いてみました。今注目するべき新潟のアーティストです。是非ご覧下さい!




HOMETOWN
Niigata, JP

MEMBER
PAL (ALASKA CYAN B)
Taichi Nagamatsu

LABEL
MONOTOP-ARCHITEKT (JP)

WEB
I WONDER WHEN IT WILL END.
I WONDER WHEN IT END. soundcloud






experimental room #19



2015 06 10 WEDNESDAY

GOLDEN PIGS Yellow Stage

Open & Start 19:30 / Close 23:00

Adv 3000JPY / Door 3500JPY / From Out Of Niigata 2500JPY

lineup:
LEE GAMBLE
I WONDER WHEN IT WILL END.
JACOB


more info: experimental rooms
まずはじめに自己紹介をお願いします。

Pal(以下P):はじめまして。palとNagamatsu Taichiによる音響ユニットiwwiweです。二人とも1986年生まれで、新潟市内で活動してます。

I wonder when it will end.(iwwiwe)としての活動はいつどのようにして始まったのでしょうか?

P:2014年夏に行われたezz23と広島苑実さんのシュニークによる作品展がきっかけです。僕とタイチそれぞれにライヴのオファーがあったのですが、二人で組んでやると何か面白いことが出来るかもね!ってぴたりと馬が合いiwwiweとして動き出しました。

ユニット結成時にコンセプトがもしありましたら教えて下さい。

Taichi Nagamatsu(以下T):コンセプトとは異なりますが、ユニット名の”I wonder when it will end.”の由来を。この言葉は、直訳で”いつまでやってんだよ”という意味合いなのだそうですが、どこだったかのスラングで(うろ覚えですいません…)”行き急ぐな”という意味合いでも使われるというのを耳にして、結成時の自分たちの心境等を考慮した上で合致したなと。この言葉の意図する通り、皮肉を含んで活動していけたらと考え名前を付けました。

どのようにして楽曲は制作されているのでしょうか?それぞれ役割分担やルールなどはありますでしょうか?

P:僕がelektron machinedrumでビートを組み、そこへタイチが上音やエフェクトを乗っけて輪郭を作っていきます。制作段階である程度の帰結は決めますがライヴではほとんど即興です。偶然性の妙を楽しんでます。

もともとはそれぞれ異なる活動をされてきたかと思いますが、このユニットでのそれぞれがもたらす音の作用や影響についてはいかがですか?

P:マスクを被ると別人格になれるレスラーの気持ちというか、ソロの時よりも黒い部分をより黒く 、歪さや猥雑さをむしろ喜んで強調してどんどん走っていける感じがしますね。

おふたりが所属また運営されているプロジェクト、monotop-architektについてご紹介頂けますでしょうか?

P:モノトープアーキテクトと読み、造語とドイツ語をくっつけてます。ここには二つの側面があります。一つはmono(単一)が生活する湖川、森、山、海からすくい上げ設計し組み立てるarchitekt(建築家)です。biotop(ビオトープ)を踏襲しており、このmonoというのは素材でありその最小単位と捉えてもいいです。酸素やコンピューターなど様々な物事は時折起こるイノベーションも含め元々自然にあった物の組み合わせで出来てるんじゃないかと仮説しました。この組み合わせを行う主体を音楽家やグラフィティ・ライターや映像作家と連想させない為にあえて建築家と定義しました(エリック・サティ的な思考です)。もう一つは矛盾してるかもしれませんが、”くくりにくくられない為のくくり”という側面があります。これは分類と言い換えてもいいかもしれません。この<くくり>が先行し印象付けられるとアーティストが際立つ場合もあるが個性が一つ二つ没してしまう場合があるのではないかと考えました。それは避けたいし取っ払いたいな、monotop-architektという名は陰日向にそっと潜んでるから捉われず赴くままに表現してほしいなという考え方です(これもサティ的思考なのかもしれません)。つまるところ仮宿や屋号のような存在です。イベント毎にタイトルを変えていく予定ですし、音源の発表はまた別の名で行う予定です。変化を礼賛して凝り固まった状態から逃げ続けます。音楽やペイント以外のアプローチをする人もどんどん参加してほしいですね。様々なアプローチをする多様性のある仮宿になればと。

今回experimental room #19にご出演頂きますが、どのようなライヴ・パフォーマンスとなりそうでしょうか?

P:リズム主体のライヴに加えてこの夜限りの実験音響セットを行います。コンピューターに視点を置きいろんな方向からいろんな音を。是非目を閉じて聴いていただきたいです!

最近のお気に入りの作品やアーティストがありましたら教えて下さい。

P:Gregory And The Hawkのずっと聴いていたくなる歌声。Amiinaの肌馴染みの良さ。Svrecaの空間設計センス。ベルギーのテープ・レーベルDauw。あと、僕の音楽原体験であるDJ Klockさんの曲は日々よく聴いてますね。

T:日常的によく聞いているのはA/T/O/SやLapsleyです。

今後のiwwiwe、またそれぞれソロとしての活動の予定がありましたら教えて下さい。

P:palの別名義alaska cyan bでカセット・テープ作品を今年の夏リリースします。テーマは”意識に入り込まない音楽”、”面と向かわない音楽”です。iwwiweでも何か作りたいな〜と。詳細はまた追ってお知らせします。

(link: monotop-architekt

最後にこれを読んでいる皆さんに一言お願いします!

P:孫の代まで語り継ぎたい奇跡的で素敵すぎるLee Gamble新潟公演をみなさんと一緒に楽しめたら嬉しいです!!尖端リズム浴びましょうー!!!

T:”行き急ぐな”以上です。



INTERVIEW in MAY 2015
TEXT by Masato Hoshino