SAPPHIRE SLOWS
FEATURE 072
2011年にデビューを飾った東京在住のプロデューサー、Sapphire Slows(サファイア・スロウズ)。Not Not Fun、100% Silk、Big Loveと国内外の名門インディペンデント・レーベルから作品は発表され、自宅のベッドルームで綴られてきた珠玉の楽曲群は外の世界へと大きく羽ばたき、国内外で大きな反響を呼んでいます。自身の作品制作からMagic Touchを始めとするコラボレーション、国内外アーティストの楽曲のリミックス・ワークも盛んに行っており、また2015年10月パリにて開催されたRed Bull Music Academyに日本代表として参加し、活動の幅と奥行を深く広げています。そんな彼女が新潟市内初ライヴ!ということで、先頃帰国したばかりの彼女に直撃インタビューさせて頂きました。是非ご覧下さい!
HOMETOWN
Tokyo, JP
MEMBER
Sapphire Slows
LABEL
NOT NOT FUN (US)
100% SILK (US)
BIG LOVE (JP)
WEB
SAPPHIRE SLOWS soundcloud
SAPPHIRE SLOWS bandcamp
VIDEO
Allegoria
Live at WWW Tokyo
Animal Dreams
experimental room #20
2015 11 23 MONDAY
Kiageba Kyokai
Open 17:30 / Start 18:00
Adv 3000JPY / Door 3500JPY / From Out Of Niigata 2500JPY / Under18 FREE!
live:
INGA COPELAND
SAPPHIRE SLOWS
KOUJI NAGAHASHI
dj:
LIVING ROOMS
more info: experimental rooms
まず始めに自己紹介をお願いいたします。
こんにちは。Sapphire Slowsです。広島出身、東京在住7年目になります。
いつ、どのようにして現在のような音楽活動をスタートさせたのでしょうか?またきっかけはどのようなものでしたでしょうか?
2011年の春にアパートで楽曲制作をはじめて、仕上がった曲のURLを好きだったレーベルに送ってデビューが決まったっていうのがはじまりです。いきなり制作をはじめたきっかけは色々あるけれど一つは2011年の震災で、自分の将来や本当にやりたいことを見つめ直した結果かなと思います。
個人的にも既発の1stアルバム『Allegoria』や他のシングルやEP作品についてもとても興味深く愛聴しています。いつも楽曲はどのようにして制作されるのでしょうか?
私の場合、作品ごとに機材の使い方がだんだんわかってくる感じなので、作品によって制作方法も異なるのですが…。メインのソフトウェアはAbleton Liveで、CasioのキーボードやJUNO-6などのシンセサイザーを使用してます。ベースとリズムはAbletonで打ち込んだシーケンスでプラグインを鳴らすことが多いです。でももうパソコンが古くなってきててメモリが4GBしかないのでプラグインもあまり動かないんですよね…。なので最初にとにかく素材となる手持ちの機材の音や声をたくさん録音して、サンプリングして、エフェクトもたくさん使って編集しながら曲を組み上げていきます。歌詞を書くのは苦手で、いつも歌詞とヴォーカルの録音に一番苦労してます。
制作にはどのようなものにインスパイアされることが多いでしょうか?
見聞きする中でいいなと思った音楽や体験ですかね。
これまでの作品はUSではロサンゼルスのNot Not Funより、日本では原宿のBig Loveよりリリースされておりますが、それぞれのレーベルの印象についてはいかがですか?
Not Not FunはオーナーのBritt Brown(ブリット・ブラウン)の優しい人柄と音楽への浮つかない姿勢が好きで信頼しています。LAにはNot Not Funの周りにたくさんのつながりがあって、親戚がたくさんいる、みたいな感じ。Brittは私が作った一曲一曲に対していいところも悪いところも細かくコメントをくれるので、それもありがたいです。やっぱりなかなか会えなくてオンラインのコミュニケーションだと、お互いの言いたいことを把握するために細かいやりとりが必要になるときもあるので。Big Loveはいつでも会いに行ける、いつも見守ってくれている日本のホームっていう感じ。オンラインで誰とでも繋がれる中、一緒に時間と経験が共有できるっていうのはとても大切なことで、支えてくれる彼らがいなければ日本国外での活動ももっと不安が多かったと思います。
La Vampires、Seahawks、(((さらうんど)))、Jesse Ruinsなど国内外アーティストのリミックス・ワークも積極的にされておりますが、他のアーティストのリミックスについてはいかがでしょうか?
リミックスというか音楽を編集する作業自体が好きなので、他のアーティストのリミックスは今後も時間があればやっていきたいです。とはいえ何でもやりたいってわけではなくて、自分らしさが表現できるようなインスピレーションの得られる曲や、人とのつながりを重要視してます。
先日パリで開催されたRed Bull Music Academyに日本代表として参加されましたが、いかがでしたでしょうか?
まだ帰ってきたばかりであまり頭が整理できていません!数々の有名人によるレクチャーや、恵まれたスタジオ環境、講師陣、毎晩のクラビング、毎日のフランス料理(デザート付き)などなど、体験としてあまりに非現実的で、なんだか夢の中にいるみたいでした…。でも、自分にできること以上に、できないことがまだたくさんあるっていうことがわかって、確実に今後のモチベーションアップに繋がりました。
パリではライヴ出演もされましたね。今までにもヨーロッパやUSでのツアーを行ってきておりますが、日本と海外でのライヴや会場、リスナーの印象の違いについてはいかがですか?
日本のクラブや会場のほうが平均して音はいい気がします。海外のクラブだととにかく大音量で低音鳴らせばいいみたいなところも多くて耳が痛いです。リスナーのノリは海外のほうがいいかもしれません。知らないアーティストでもいいなと思うと前に来て踊ってくれたり聴き入ってくれるし、終わったあとにも必ず良かったよと声をかけてくれます。物販は日本、ヨーロッパ、アメリカの順で売れるかな。
今回のパリでは、まもなく来日してご共演されるインガ・コープランドも参加されておりましたが、彼女についてはいかがでしたでしょうか?
私は彼女が大好きなのでちょっと大げさかもしれませんがやっぱり存在感が圧倒的で、彼女の声が聴けただけでシビれました。
インガ・コープランドとご共演となる11/22東京公演ではDJとして、11/23新潟公演ではライヴとしてご出演下さいますが、それぞれどのようなセットになりそうですか?
22日は共演者が多いのでその中でも自分らしさが出せるようなDJを、23日は会場の雰囲気を想像しながらIngaに負けず、しっかり聴かせられるようなライヴができればいいなと思っています。
また今回は初の新潟ライヴとなりますが、新潟についての印象はいかがでしょうか?
実は今年Ruralというフェスで津南でライヴしたことがあるんですが、市街で普通のライブをするのは初めてです。安直かもしれませんが、きれいな街、おいしい料理、落ち着いた雰囲気と澄んだ空気、っていうイメージです。
AMPでの特集で「#レコード女子」として取り上げられ、大変興味深く拝見させて頂きました。最近のお気に入りのレコード、またはアーティストなどがありましたら教えて下さい。
Morgan Buckley
今後の活動予定を教えて下さい。
EPを作り終わってリリースをどうしようか考えているところです。あと音楽を作ってプレイするだけじゃなくて何かもっと皆とシェアできることや方法がないかなあと考えたりしています。
それでは最後に新潟で待つファンの皆さんに一言お願いいたします!
みなさんの前でプレイできるのを本当に楽しみにしています。一緒に特別な夜をつくりましょう!
INTERVIEW in November 2015
TEXT by Masato Hoshino