THE MEDIUM NECKS
FEATURE 028

Sonic Plateからのソロ作でのデビュー以降、ORG.やInternational Friendship Society、そしてJackie-O Motherfuckerのトム・グリーンウッドのレーベル、U-Sound Archiveからのリリースでも知られる日米混合バンドHELLLでの活動と、様々なサウンドとスタイルで注目を集め続けている飛田左起代によるソロ・ユニット、ザ・ミディアム・ネックス。米シカゴのColorlistのメンバーであるチャールズ・ランバックをはじめ、盟友であるアスナ、envyのギタリストの飛田雅弘らがゲスト参加し、KrankyやRoom40からのリリースで知られる畠山地平が録音と、これまでになく多彩な顔ぶれと共に完成させた新作『Water, Emerald Trumpet』がすこぶる素晴らしい!もともとデュオ編成であった同ユニット。ヴィジュアルを担当していた吉田苑子の脱退後、今作はより”音楽的”になったと同時に、シンプルな構成でありながらも情感と奥行きに深まりが増して、ある意味より音像的にもなったとも言える。そんなミディネクが実に5年振りに新潟の地を踏みます!ということで祝2回目(!)となるインタビューを決行させて頂きました〜!




HOMETOWN
Tokyo, JP

MEMBER
Sakiyo Tobita (HELLL, ORG., INTERNATIONAL FRIENDSHIP SOCIETY, SAKIYO FUJIMOTO)

LABEL
AO TO AO (JP)

WEB
THE MEDIUM NECKS
THE MEDIUM NECKS soundcloud

VIDEO

Water (feat. Charles Rumback)


Waves (feat. Charles Rumback)



experimental room #10

2012 07 21 SATURDAY

WOODY

Open 17:00 / Start 17:30

Adv 2500JPY / Door 3000JPY
/ Student 1000JPY (1Drink 300JPY)

live:
Water Fai
Asuna
The Medium Necks
Cat Sand (Moskitoo + 安永哲郎)
飯濱真人
haikarahakuti

dj:
Jacob

more info: experimental rooms
2回目となるインタビュー、どうもありがとうございます!そして改めて新作『Water, Emerald Trumpet』のリリース、おめでとうございます!完成された今作を振り返ってみていかがですか?

ありがとうございます! こうして形になってほんとに嬉しいです。 実は同時期に作っていた曲があったり、今ミックス作業中のものが残っていたりで 自分としてはまだ制作途中のような気もしないでもないのですが…。 いろんな方から良い反応が貰えて驚いてます! 制作に関わってくれたみなさんに感謝してます。

たった一人で制作された前作『Flying mobiles, Trappings』に対して、今作では多彩なゲストが参加されていますね。ひとりで制作する作業と、様々なアーティストとの共同作業の違いについてはいかがでしたか?

セッションという形で録音した『water』は今迄にはない形で 畠山さんのマックの電源から火花が散るという事件があったりするなか ライヴでいつも演奏している歌とギターの曲にチャールズ(・ランバック)がドラムで、あらし君(アスナ)が電子音で合わせてくれました。 即興演奏が経験が豊富なアーティストなのですが、わたしは合わせようと思わず自然にいることに慣れて行く時間が必要でした。 飛田くんのギターはスタジオに来て何度か曲を聴いてから、自由に弾いてもらいました。 いつもひとりで制作したといっても実際に楽器を演奏しないだけで、 いつも周りの人達の手はかなり借りているのですが…(笑)。 両方とも違った面白さがあります。

Costa MusicやL'altraの来日ライヴのときにドラムを叩いていたColorlistのチャールズ・ランバックが参加されていますが、いかがでしたか?

The Medium Necksの国内初ツアーがCosta Musicに帯同する感じだったので、 私にとってはそれ自体が印象深いものでした。 チャールズのドラムは基本枠にはまらない”ジャズ”ですが、 その時のツアーでは会場にドラムがなかったり子供用のものだったり そういう環境でも柔軟に対応していたのをみて尊敬しました。 私は演奏することもやっとのようなレベルだったので、 こうして一緒に演奏できて嬉しかったです。

制作時に何か他にエピソードがありましたら教えて下さい。

2011年の2月に来日していたチャールズに合わせて 大雪の中でのレコーディングとなりました。 その前までにWhite Rainbowなどポートランドの友達のレコードをたまに聴いていて ひとりで「Emerald Trumpet」のようなビートの入った曲を録音してたりしました。 そして2011年の夏にまた「To」などを飛田くんと録音していたので 時間の経過でだいぶヴァリエーションが出来てしまった様です。 私は神秘的なものや秘密についてずっと興味があるのですが3.11の後、率直に語ることが必要になったと感じました。 意味ありげに隠しているのではなく、理由があって隠していたことでも さらけ出してみようと言う気になったかも知れないです。

先ほどお話に出たチャールズとAsunaとでUS、カナダをまわられましたね。振り返ってみてツアーはいかがでしたか?

4年も前からシカゴに行く話はあったのですが、ずっと踏み切れずにいました。 そのあいだも何度か来日するチャールズと話し合ったあと、やっと実現しました。 裏テーマに『Casiotone Compilation Vol.4』に参加したAsunaの友人アーティストを巡る旅でもありました。 今回ミルウォーキーやバーリントン、トロント(カナダ)まで細かい場所を訪ねることが出来たのもそのおかげで アメリカの多様さに少しですが触れることが出来ました。 Kumo No KumoのSakikoちゃんはプロヴィデンスで活動しているアーティストで 部屋に解体されて調律されるのをまってるピアノがあったり、美味しい朝ご飯を作ってくれたり ほぼ1日ですが一緒に過ごせて、とっても良い影響を与えてもらいました。 最後のブルックリンでは私が曲を作り始めた頃に、カセットテープを聴いてもらったYo La TengoのジェームスのバンドDumpと共演することが出来て夢のようでした! 私のような無名のバンドがツアー回れたこと自体が奇跡ですが、温かく受け入れてもらえたのが幸せで嬉しかったです。 それでも最後にギターを忘れて来たことだけは自分が嫌になりました…!!

Asunaやminamoの安永哲郎、そしてアメリカのIrving Krow TrioやHochenkeitのメンバーからなる日米混合バンドHELLLとしても活動されていますが、こちらのバンドでのプレイについてはいかがですか?

ポートランドでのツアー、レコーディングを境に 即興演奏に加えて、安永さんのギターのリフでだんだん曲に展開して行くような形や ミディネクの曲も演奏する様になったことで わたしはそれに合わせて歌での表現が明確にできる様になりました。 力強さも出て来たような気がします。 Hugry Ghostとの2本組カセット・テープもツアー直前に完成しました。 一つの曲でも活動でも音楽は・(点)にとどまることが出来ないと思います。 そうしようとすることは相当ひねくれているか悪魔的だと思います。 HELLLは何かが起こる感覚が演奏をするとき、見るときにあるので ・(点)も|(線)も流されていくと思うのです。

The Medium Necksとしての活動は音楽の他に、ハンドメイド・クロージングなどの制作もされていますが、こちらの最近の活動についてはいかがですか?

5月に神保町の路地と人での個展が終わったところです。 フリーハンドで自由に作っていたドレスから、パターンを使ってメンズのシャツなども制作するようになりました。

7月21日におよそ5年振りとなる新潟でのライヴが予定されていますが、今のお気持ちはいかがですか?

Asuna、Cat Sandとともに新潟でライヴできるのが本当に嬉しいです。 Water Faiとの共演も楽しみです。 そんなに時間が経っているとは思えないのですが その5年間前が今のミディネクの活動の原点とも言えるので また新潟で演奏することは、良い区切りになりそうです! 楽しみにしています!

それでは最後に新潟で待つミディネク・ファンの皆さんにメッセージをお願いします!

新潟でまたライヴできることになって喜んでいます! 新曲もありますが5年前からずっと演奏して来た曲、 時間を経ての変化も楽しんで頂けたらと思いますし まだまだ危うい演奏なので応援しに、ぜひ足を運んで頂ければと思います。 宜しくお願いします〜!



INTERVIEW in June 2012
TEXT by Masato Hoshino