THE MEDIUM NECKS
FEATURE 080

音楽と服飾を唯一無比の感性で表現する、飛田左起代によるプロジェクト、the medium necks(ザ・ミディアム・ネックス)。憂いを帯びた可憐で儚い歌声にギターと電子音響とを実験的かつ不可思議に掛け合わせた独創的な音楽性と、概念にとらわれないデザインで自然発生的に創出されるハンドメイド・クロージングで、それぞれの分野で高い評価を集めています。2015年発表の最新作『Π』も素晴らしかった日米合同5人組アヴァン・フォーク・サイケデリック・バンドのHELLLとしての活動やヴィンテージのパーツを混ぜ合わせた新しいアクセサリー・ブランド、DoN't WoRrYを2016年よりスタートさせるなど、それぞれ活動で更なる幅を広げています。そんなミディネクが今回Lau NauとTsemblaとのジャパン・ツアーに帯同。そして3度目となる新潟の地を踏む!ということで、3度目となるインタビューをさせて頂きました。1度目、2度目とあわせて是非ご覧ください。




HOMETOWN
Tokyo, JP

MEMBER
Sakiyo Tobita (HELLL, ORG., INTERNATIONAL FRIENDSHIP SOCIETY, SAKIYO FUJIMOTO)

LABEL
AO TO AO (JP)

WEB
THE MEDIUM NECKS
THE MEDIUM NECKS soundcloud
THE MEDIUM NECKS bandcamp

VIDEO

Panorama Auaudibility


People (Live at Shirasagi, Kanazawa 2015)


I Say This (Live at Woody, Niigata 2012)





Lau Nau & Tsembla with the medium necks Japan Tour 2016



10 22 - Niigata - Shofukuji Temple
10 23 - Tokyo - Vacant
10 25 - Matsumoto - Give Me Little More.
10 27 - Nagoya - Spazio Rita
10 29 - Osaka - Hopken
10 30 - Kanazawa - Kapo


total info: INPARTMAINT


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experimental room #23



2016 10 22 SATURDAY

正福寺

Open 17:30 / Start 18:00

Adv 2500JPY / Door 3000JPY / From Out Of Niigata 2000JPY / Under18 FREE!

live:
LAU NAU
TSEMBLA
THE MEDIUM NECKS
ILFGC

dj:
JACOB

more info: experimental rooms
今回experimental roomsとして3回目のインタビューとなり、大変嬉しく思います。どうもありがとうございます!前回お話をお伺いしてから4年の月日が経過しています。まずこの間のご自身の活動を振り返ってみていかがでしたでしょうか?制作や心境の変化がありましたら教えてください。

こちらこそ。どうもありがとうございます。この4年間はずーっと日本にいて活動していました。服の展示会もそうですが、自分自身でライヴの企画をする機会も増えました。個人的にも本当に信じられないことが次々起こる中で、現実的な事柄や周りの人とのドラマの中で、どうやって制作する時間に集中しようか対応していることで精一杯でしたが、なんとか自分のペースを取り戻せてきて今回のツアーに参加できて本当に嬉しい気持ちです。

今回フィンランドから来日するLau NauとTsemblaと共に日本をまわられますが、今のお気持ちはいかがですか?

フィンランド語と日本語は少し似ている言葉があって、susi(すし)が狼という意味だったりします。kiitos!(ありがとう!)など簡単な挨拶だけを覚えました。ラウラ(Lau Nau)は今回のツアー候補地に別府をあげていたくらいで、前の来日でもライヴ後は温泉に行ってリラックスしてたそうです。すでに各地の温泉施設はチェックしているので、のんびり行こう〜と思っています。:)

Lau Nauとは前回の2010年の来日ツアーの際に、the medium necksとして彼女の衣装を手掛けられたそうですが、振り返ってみていかがでしたか?エピソードなどありましたら教えてください。

事前に直接手渡すことができなかったので、数着の中からそれぞれに選んでもらったのですが、淡水パールを刺繍した、白のキルティングのボコボコした生地で作った雪の妖精みたいなドレスををメルヤ(Israja)が、背中の開いた柔らかい絹のミニマルなロングドレスをラウラが衣装として着ることになりました。その時、(ラウラのパートナーでありツアーに同行していた)アンティ・トルヴィ(Antti Tolvi)用のメンズのコートとその当時2歳のラウラの長男Nuttiのジャケットも作りました。Nuttiはとても背が高くて4歳のサイズでも袖がギリギリだったのを覚えています!

ちなみに今回のツアーでも衣装を手掛ける予定はありますか?

Lau NauとTsemblaそれぞれのスタイルがあると思いますし、それを見るのが楽しみなので衣装という形でミディネクの服が今回登場するかまだわかりません。初日は家に泊まることになったので、もしわたしのクローゼットを見てみてふたりが気にいるものがあったら嬉しいです。

音楽制作と並行してこうしたハンドメイド・クロージングの制作がレディースのほか、メンズやアクセサリーなども行われておりますが、今後制作してみたいものはありますか?また予定についてもありましたら教えてください。

いつも服の展示会の準備に時間をかけすぎてしまうので、同時に音楽も表現したいと思い、昨年の秋、20202という代々木上原にあるギャラリーでの展示会ではレコードを一枚だけプレスして音楽の発表の場にもしました。展示期間も短く終わってしまうと消えてしまうのですが、すごく充実する期間です。今年の春の路地と人での展示会ではアクセサリーの形でいろいろなデザインを発表しました。20202のオーナー、藤本ゆかりさんが「音楽ほど抽象度の高い表現はないってつくづく思う」とおっしゃってたのですが、形のないものなので、自分で作るものの中にも音楽の中に自由を感じます。音楽的な何かか、音楽を作る時間があるといいなと思っています。ずっと思っていて制作していないのは映像作品なので、ぜひ挑戦してみたいです。

今回は先述の来日ツアー新潟公演として、新潟市での演奏は実に4年ぶりとなります。ズバリ新潟の印象についてはいかがでしょうか?

わたしの感覚だと正福寺中心なので偏っているかもしれません!最初に新潟市を訪れた時は、バンの一番後ろの席の隙間から大きな道路とお寺が並ぶ風景を見ました。前回は(レコード・ショップの)SHE Ye, Yeに連れて行ってもらって良い音楽を聴きました。

非常に楽しみでならないのですが、今回のツアーではどのような演奏となる予定でしょうか?

少しずつ機材も変わってるのですが、即興的な部分は以前に比べてほとんどなくなっています。今キーボードがスーツケースに入るかで検討中なのですが、多分ギターと歌が中心になるとおもいます!

フィジカルな作品としては2012年発表の『Water, Emerald Trumpet』が現在のところ最新作となります。1ファンとしても次回作が楽しみなところなのですが、新作のご予定についてはいかがですか?

2010年以降録りためていたものの中から、aotoaoの嵐くんがミニCDではない形で今回のツアーに向けてリリースを考えてくれているところだそうです!どういう形になるかまだわからないので私も楽しみにしています!

ソロとしての活動の他に、日米混合5人組バンドHELLLとしても活動されています。2015年にFtarriより発表された最新作『Π』も非常に愛聴させて頂いております。一体どのようにして楽曲の制作は行われているのでしょうか?またバンドでのそれぞれメンバーの役割についてはいかがでしょうか?

HELLLのアルバムは、普段の演奏を録音していたものを嵐くん(Asuna)がミックスしてくれて完成しました。役割はわたしが話すと違う話になりそうですが、安永くん(minamo)と嵐くんがHELLという名前を考えてそこから始まったバンドです。誰かが音を鳴らしたら始りでみんなが静かになったら終わりというのが基本で、静かだけど音がなっていたら、また誰かが音を鳴らして始まっての繰り返しです。昨年、Sweet Dreams PressのFountainsun(ファウンテンサン)来日ツアーの際、金沢公演、松本公演でthe medium necksで演奏させて頂く合間に、急遽富山県のブックエンド1号店でライヴができる場を、加藤りまちゃん、嵐くん達、皆さんが用意してくださいました。その時に、最後にまた急遽、嵐くんとふたりのHELLLで演奏しようということになったのですが、割ときっちりと打ち合わせをして歌詞もある曲で終わりました。:)

それでは最後に読者の皆さんに一言お願いします!

22日のexperimental roomsはLau Nau & Tsembla with the medium necks ジャパン・ツアー初日です!今回新潟公演が実現してとても嬉しいです!森でのキャンプやキノコ狩りをすこし休んで、遠い日本まで演奏しに来てくれることになりました。数日前Tsemblaはスイスでの演奏を終えたとこでした。世界を旅する音楽をぜひ楽しみに、ぜひたくさんの方に足を運んでいただけたらとおもいます。わたしもたのしい時間になるように演奏がんばります!:)



INTERVIEW in September 2016
TEXT by Masato Hoshino


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[PAST]
Interview with THE MEDIUM NECKS (2012)
Interview with THE MEDIUM NECKS (2008)