DUSTIN WONG & TAKAKO MINEKAWA
FEATURE 082

「エフェクターの魔術師」と称賛される無数のエフェクターを駆使したギター・ループの万華鏡サウンドを創出するダスティン・ウォングと、ユニークで実験的なポップ・ミュージックの領域を拡張して魅せる嶺川貴子によるデュオが3年ぶりの待望の3作目『Are Euphoria』を発表!そしてそのホヤホヤの新作を携えて初となる新潟市へやってきます!新作ではこれまで同様にふたりの声やギター、そして様々なエレクトロニクスを用いながらも、ダスティンの盟友Co Laの参加によってサウンドはより立体化/濃密化しており、ふたりの個性の混ざりっぷりが全方向で爆発している模様。エクスペリメンタルでトライバルでスピーディー。やってることは超難解、でも超ポップ。まるで魔法のようなこのサウンドを生で構築していく彼らのライヴ・パフォーマンスは超必見です。そんな彼らに来新直前インタビューをさせて頂きました。是非ご覧ください!




HOMETOWN
US/JP

MEMBER
Dustin Wong (ECSTATIC SUNSHINE, PONYTAIL)
Takako Minekawa (TAKOTAMO)

LABEL
7E.P. (JP)
PLANCHA (JP)
THRILL JOCKEY (US)

WEB
DUSTIN WONG & TAKAKO MINEKAWA
DUSTIN WONG soundcloud
TAKAKO MINEKAWA soundcloud

VIDEO

"Are Euphoria" CM


She He See Feel


Live at FOUNDLAND





experimental room #25



2017 04 15 SATURDAY

砂丘館

Open 17:00 / Start 17:30

Adv 4000JPY / Door 4500JPY / From Out Of Niigata 3500JPY / Under18 FREE!

live:
GIGI MASIN
DUSTIN WONG & TAKAKO MINEKAWA
ASUNA


live:
JACOB

more info: experimental rooms
まずはじめに自己紹介をお願いいたします。

ダスティン・ウォング(以下D):ダスティン・ウォングです、はじめまして。

嶺川貴子(以下M):嶺川貴子です。はじめまして。

ユニットは2011年夏にダスティンさんのライヴへ嶺川さんが訪れたことがきっかけとのことですが、お互いの第一印象についてはいかがでしたでしょうか?

D:僕はとても暖かくて、興味心が一杯ある人だなって思いました。

M:とてもオープンな心を持った人だなと思いました。ペダルのことについての私の質問にもわかりやすく教えてくれて。

結成の際、ユニットのコンセプトについてはいかがでしたでしょうか?

D:コンセプトというより、「どういう風に機材を組み合わせたら音楽が一番つくりやすいのか」という所から始まりました。お互い直感の感覚で音楽が作れる環境を機材のインターフェースで僕らなりのやり方で作りました。

M:ダスティンのソロでのループの方法を基本にしながら、そこに声だけではなく、サンプラーのキーボードを入れることで、より音に自在になって、そこからさらにペダルを足したり、マイクも1つを二人の真ん中に置いて行ったり来たり共有するようになっていきました。

待望の新作『Are Euphoria』がいよいよ発表されますね。おめでとうございます!今作は前作からおよそ3年振りとなりますが、どのようにして今作は制作されたのでしょうか?

D:ありがとうございます。今回のアルバムの曲は2枚目をミックスし終わった所からもう作曲してました。今回は前回よりライヴで試して、自分たちの中でいい演奏が出来る状態まで録音をするのを待ちました。テンポやら音色とかの感覚を染み込ませるため。こうすると録音自体はとても簡単になるんですよ。

M:できた曲はライヴでどんどん演奏していって、それが染み込んでまた少しずつ曲が変化していくんです。歌詞という歌詞もないのですが、言葉のような言葉でないものもだんだんと浮き出てきたり。そうやって、そろそろ録音してみようか?と始めて。録音自体は、とてもスムーズだったような気がします。

制作には役割分担や決め事などはありましたでしょうか?

D:僕は主にミックスを手がけました、そして聞き比べで貴子さんの意見を聞きながら調整・調節しました。

M:私は曲が持つそのイメージをまとめていったり、音の細かい微調整を発言したり。曲のタイトルも二人で言葉やイメージを出し合うのですが、そういうののまとめ役をしていると思います。

今作の制作にはダスティンの盟友でもあるCo Laことマシュー・パピッチが参加されましたが、彼との作業についてはいかがでしたか?

D:僕は昔から彼の事をとてもリスペクトをしていて、ボルチモアに住んでいたときよく彼のお家に遊びに行ってたんです。彼のアイデアはずば抜けていて哲学の知識もいっぱいあって、詩人のようにもしものコンセプトを組み合わせ新しいものを作れる。人間という存在に対して批評的な作品を細密に作っていて、コンセプトだけじゃなく幸福感のある音の感触や奥行きの空間をよくわかっているアーティストなんです。彼が僕達の作品に触れた時、僕らはいい意味で驚かされました。口が半分開いたまま彼のプレイに圧倒されました。本当にマット君を呼んで良かったなって思ってる。僕の中で数少ない天才の一人だと思っているから。

M:マット君はダスティンのいい友達で、私も彼の音楽や表現のセンスが飛び抜けていて大好きだし、ダスティンが『Are Euphoria』にマット君に参加してもらうアイデアを持って来たときに、それは素敵!と。彼は私たちの音により深遠をタッチしてくれて、それは素晴らしい時間でした。マット君の小さなラップトップの中にはいろんなエフェクターが入っていて、そこからいろんなものが出てくる!その音を聴くたびに私たちは興奮して!そして皆で好きな音を聴き合ったり、とてもいい時間を過ごしました。マット君は、料理も上手でいつも驚かされます。

アートワークについてもご自身たちによるものですが、今作のアートワークのコンセプトについて教えてください。

D:とにかく有機的に二人で粘土で遊びました。自分等の作品を聞き続けて音に対して考えはじめると、人間の持つ意識や脳の事について考え始めるんです。作品を作り始めた頃、グーグルが実験でNeural Netを使ったアルゴリズムでDeep Dreamという物を紹介して、僕らは結構それにはまったんです。コンピューターの潜在意識をヴィジュアルで見ているようで、いろんな物語が現れるんです。同時に僕も映像を作っていてマクロレンズで絵の具を炭酸水に入れてターンテーブルの上で回る様子をカメラでとっていて、そういう抽象的なものを見ながら考えるとういうのが続いたんです。そういう抽象的な所に幸福感に溺れ笑む自分、そして想像力が膨らむ。それがあるEuphoriaなのかもしれない。

M:私たちは日々よく話をするのですが、それは今のこの現実世界のことももちろん、でも映像を見て自分が感じて受け取ったことを正直に話し合ったり。そんな中からふと脳のことについて考え出して。脳と心の関係、AIと人間の与え合う関係というか。気付いたら脳みそをたくさん作っていました。出来上がったジャケットから、Euphoriaの寓話的ななにかを私たちはまた受け取っています。

今作を引っ提げて間もなくジャパン・ツアーが開始されますが、今のお気持ちはいかがですか?

D:とても楽しみですよ!

M:私もとても楽しみです。

また今回はユニットとして初となる新潟市内でのライヴも決定していますね。ズバリ新潟の印象についてはいかがですか?

D:僕はまだ行った事がないので、ただただ楽しみですよ!

M:私は小さい頃に行ったことがあります。今回の会場の砂丘館をとても楽しみにしていますし、ASUNAさんとジジ・マシンさんと共演できることをとてもうれしく思っています。

最近のお気に入りのアーティストや作品などがありましたら教えてください。

D:日本だとオータケコーハンが本当に最高だと思います、Guru Hostも最高です。アメリカだとCo LaがやってるグループLiftedは音楽の新しいレベルを達すると思う。

M:友人ですがYTAMOさんの『MI WO』、『Limited Leaf』、アキツユコさんの『Empty Talk』、あと増子さん(DMBQ)とマキさん(Water Fai)のユニットMoan。Eliane Radigueを聴いたりしてます。あと、DJのPooteeさんや威力さんのミックスを聴いたりしてます。

今後のユニットとソロについて、近い将来の予定を教えてください。

D:僕はソロの作品もガンバッテます、ギター・ループ・シリーズの感じとはまた違う感じになると思います。

M:私も一人でつくっていることもこつこつ続けたいと思っています。『Are Euphoria』は6月にはスリル・ジョッキーからアナログもリリースの予定です。

それでは最後に新潟で待つファンの皆さんに一言お願いいたします!

D:少し変な音楽だけど、音楽を理解しようとする前に音と音の関係やぶつかり合いを楽しんでもらいたいです、よろしくお願いします!

M:興味を持つことに恐怖を感じないで、楽しんでもらえたらうれしいです。私たちも楽しみにしています。よろしくお願いします。



INTERVIEW in April 2017
TEXT by Masato Hoshino